



トピックス
・米 1月消費者物価指数(CPI)
前年比6.4 %増と予想の6.4%よりは高かった。ただし7ヶ月連続減。
エネルギーと食料品を除いたコアCPIも5.6%増と予想の5.5%より高い。
インフレはピークを越えたものの、通常の水準にまで落ち着くには時間がかかりそう。
ターミナルレートは5%を超えるとの見方が強まる。
・NY連銀 ウィリアムズ総裁
「引き続きインフレが最大の懸念事項。インフレ率が2%を達成するまでは利上げ方針を維持する」
・リッチモンド連銀 バーキン総裁
「インフレはが続くなら、さらなる行動が必要」
・ダラス連銀 ローガン総裁
「金利の正確な動向をFRBが固定するべきではない。金利は徐々に上げ続ける必要がある。」
・フィラデルフィア連銀 ハーカー総裁
「利上げは終わりに近づきつつある」
・コカ・コーラ
増収減益。販売量は1%減も、値上げの効果で売り上げは前年比7%増。原料高で減益。消費者が安価なものを好む傾向がみられる。

全体:
CPIが発表されました。徐々に下がっているものの予想よりは高かったです。また要人の発言が相次ぎました。個別要因で株高に振れたセクターはあるものの、概ね金融引き締めが継続されるとみて株価下落ですね。いずれにしても長期投資の観点からは大騒ぎすることはない内容です。
労働市場はなかなか弱くなりません。アメリカ経済のネックが人不足であることが示されているのでしょうか。リストラの発表と、労働統計のタイムラグでしょうか。FRBもなかなか動きづらい要因です。

セクター別:
上げ下げまちまちとなりました。
バンクオブアメリカが好意的な発言をしたことにより、半導体メーカーの株価が上昇しました。このところマイクロソフトとグーグルのAIの話題が続いていましたが、ハードで支えるのは半導体メーカーということですね。特にこの恩恵が大きいと考えられるGPU最大手のNVIDIAが大幅に上昇しています。
テスラも大幅上昇です。テスラ社の死亡事故で原因が自動運転ではないとされたことを受けての反応です。
その他は全体的には下げています。CPIの結果として、金融引き締め継続が意識されています。


・国債
CPIの結果を受けて金利高。
・為替
CPI発表を受けて円安ドル高が続く。
・原油
米政府が2600万バレルの戦略備蓄を放出すると発表。原油安。

日銀新総裁が決まりつつあります。市場は緩和路線継続として概ね好意的に受け入れられているようです。ただし、そもそも政策の自由度がどれだけあるのでしょうか。黒田総裁の10年が示すものは、日銀が金融緩和を続けても、その間に経済の構造改革は進まないということでした。日銀としては何をすればよいのでしょうか。
原油がこのタイミングで備蓄放出を決めました。アメリカの政策余力がなくなっていないか心配です。