



FOMCは予想通りの0.25%の値上げを実施。
イエレン発言で金融不安が再び持ち上がる。
・FOMC 0.25%の利上げを実施
政策金利の目標金利は4.75-5.00%になった。
利上げなしを見込んでいた市場参加者も多く、株価は下げる。
FOMCメンバーの23年末の政策金利見込みから考えると、あと1回の0.25%利上げがメインシナリオと考えられる。
・パウエル議長 FOMC後の発言
「経済指標は好調」
「必要であればさらなる利上げもする」
「年内の利上げは見込んでいない」
「銀行システムは健全。SVBは特別な状態だった」
・イエレン財務長官 預金保護強化に否定的
政府がFDICの現在の25万ドルの制限を超えて銀行預金保証を与えることについては否定的な見解を示した。
ファーストリパブリック銀行の株価は再び大幅下落。市場全体にも金融システム不安がよぎり、株安となる。

FOMCはインフレ対応を少し優先した内容でした。
市場では年末に4.2%程度まで金利が下がるとみています。
FOMC参加者の予想値である5%超との乖離は大きいです。
今後FOMCが言って言っていた通りの政策を行えば株価が下がっていくという、不思議な動きになるでしょうか。
パウエル議長はややタカ派、イエレン長官の発言はタカ派と取られています。
イエレン長官の発言によって、金融不安が色濃く出ているようです。
それではイエレン長官が預金を「全額保護する」といえばよかったのでしょうか。
「つぶれるべき企業はつぶれる」というのがアメリカのダイナミズムの根源です。金融システムの崩壊まではいっていない中、今回の発言はやむをえない選択です。

セクター別では、全てのセクターで下落した。
不動産セクター:
FOMC利上げによってローン金利は急には下がらないとして株価は下落。
金融セクター:
国債利回り低下を受けて大きく下落。
イエレン長官の発言によってふたたび銀行のリスクが懸念される。


利上げはされましたが、国債金利は下がっています。
その中で株価は、ほぼ全滅という厳しい結果でした。
AMD、NVIDIAの上昇が目立ちます。

商品・金利も金融不安を再び反映した。
・国債
イエレン長官の発言を受け、金融不安による景気悪化を見込んで金利は下げる。
・原油
ウェート西部で原油が噴出している。同国は「非常事態」を宣言した。原油価格は上昇。
・ゴールド
実際の金利が下がったことにより、反発高。

金利の動きの幅が大きいです。
短期の利ザヤをとる投機も活発なのでしょうね。
原油について、OPEC+は減産には動かないのようです。
またウクライナ戦争は小康状態です。
世界で各種原料の在庫は若干ピークを過ぎたようにも感じます。
要素が複雑すぎて短期の予想は困難を極めます。
「短期予想は無理」との結論が正解でしょう。長期のエネルギー動向だけ考えるようにします。
まとめ
長期投資としては大きくは株価が崩れないので「買い場」という判断はなかなかしづらいですね。
まだPERなどで見ても、アメリカ株が割安とは感じられません。
S&P500は2年前と同じ水準です。
リーマンショックの時は最高値更新に5年程度かかっています。
2000年からの長期ボックス圏の脱出には10年程度かかっています。
これくらいの長期戦は覚悟しないといけないかもしれませんね。