



株価の動向
新規求人発表で景気の弱さが表れる。
・米 2月雇用動向調査
新規求人は993万人と、予想の1050万人よりも少なかった。
前月の1056万人からも大幅に減少した。
1000万人割れは21年5月以来のこと。
景気悪化の恐れが高まった。
株価は今後の指標も注視するとして、下降幅は大きくない。
・米 2月製造業受注
前月比-0.7%と予想の-0.5%よりも大幅の減少となった。
特に航空機が6.6%減と下げ幅が大きかった。
・JPモルガン ダイモンCEO 「危機は終わらず」
株主への手紙の中で金融危機の状況を説明した。
FRBが金利上昇へのストレステストを行っていなかったことを批判した。
また規制で預金流出は止められなかったとして、過剰な規制に反対した。

少しづつ景気後退の危機感が醸成されています。
雇用市場
企業の解雇は減っていますし、まだ何とも言えないですね。
ただし、なんとなく景気悪化の雰囲気は進みました。
金利低下がそれを示しています。
金曜発表の失業率と非農業部門雇用者数の発表に注目です。
FED watchでは、次回は利上げなしとする人が昨日より20%ほど増えました。
これ以上の利上げはしづらいとの判断が進んでいます。


セクター別・個別株
リスク回避の動きが進む。
公益事業セクター +4.6%
景気後退の雰囲気を受けて政府支出への期待が広がる。
資本財・サービスセクター -2.2%
新規受注の低迷を受け、産業用機器が軒並み下落している。
エネルギーセクター -1.6%
景気後退から原油需要減、原油安を連想させる。


金利が下落傾向なので、ハイテクのダメージは小さいです。
全体的にはディフェンシブ銘柄への回帰が見られました。

国債・商品・為替
株式と同じく原油高・景気悪化を示す。
・原油
引き続きOPEC+の減産発表の影響を受けて上昇を続ける。
・国債
雇用統計から今後の景気悪化を見て金利下落。
・ゴールド
金利安を受けて上昇。

原油が下がりません。
原油価格は景気動向だけでなく、産油国の思惑で大きく変わるということですね。
つまりサウジが米国に対してどのような政策をとるかがキーです。
中国の景気回復の期待が高まっています。
ここは上昇材料です。
まとめ
雇用統計で少しざわつきましたが、まだ決定的な景気後退を示す状況ではありませんでした。
ただし、明確に示してしまったら手遅れです。
労働市場や景気指標の注視はもちろん大事ですが、全体の経済の流れの方が重要です。