11/1にAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)の決算が発表されました。
その中身をインテルと比較して今後の株価がどうなるか想像します。
AMDとはどのような会社?
重要な半導体チップであるCPUの企業です。CPUはサーバーやPCで使われて装置全体の中心的な計算・制御をします。一昔前だとインテルの独壇場でしたが、その牙城を崩しに行っています。最近ではPC用の6割がAMDのようです。

サーバー用CPUのシェアは3割くらいです。
インテルとの違いは生産を他社に依頼しているところです。AMDは設計と販売などを行います。最新製品は世界最強の半導体製造企業であるTSMCが生産しています。
一方でインテルは自社で生産しています。AMDがシェアでインテルを逆転した要因は色々ありますが、TSMCとインテルの製造力の差も大きいです。
40代の人間としてはインテルがこうも負けてしまうのは感慨深いです。パソコンには「インテル入ってる」当然だと思っていました。
3Qの決算
AMDのサイトにある決算資料をそのままお借りします。
売り上げ(Reveue)は普通の企業であれば29%アップと異常な成長です。1か月前に大幅に予想を下方修正しており、それにほぼあっています。利益率(Gross Margin %)、営業利益率(Operationg Expen %)も他の厳しかったハイテク企業の3Q決算に比べたらずいぶんよく見えます。

中身をもう少しだけ見ていきましょう。Data Center(サーバー)が、Client(PC)とゲームの落ち込みを必死でカバーしようとしています。もはやサーバー向けが圧倒的な稼ぎ頭ですね。
一番下のカテゴリー(Embedded)は買収によるものなので一旦話に入れません。

サーバーについて
サーバーはデルやHPなどのコンピュータ会社が作っています。そしてそのお客さんとなるのが、クラウドの企業ですね。グーグルやアマゾンです。この人たちが世界中から集めたお金をこの分野に投資をしているのです。

インテルとの比較
ライバルのインテルと3Q決算を比べてみました。ビジネスモデルが違いますし単純比較はできないのですが、それでも両社の状況をよく表していると思います。
・サーバーはAMDが圧勝しています。今後さらにデータセンターが増えていく中でAMDが有利です。
・PCは両社厳しいですが、インテルとしては会社を支える最後の砦の状態です。
インテルが決算発表をしてから早々にリストラを打ち出したのも納得です。

今後の株価は
今はAMDが株式時価総額でインテルよりも下になっています。株価はAMDの伸びしろが大きいように見えます。TSMCの製造があってのことではありますが。
ただしインテルは米政府の後押しで製造を強化します。ここが成功すればAMDよりも強い企業になる可能性もあります。ただ細線化プロセスによるインテル製品の復権、または他社の製造請負はそうは簡単ではないと考えます。ここの技術は相当にハードルが高いです。更に製造のライバルであるTSMCと比べて、細線化以外の布石もまだ足りないように見えます。
しばらくは不況で両社低迷が続くでしょうが、それが終わる時にはAMDの株価上昇に期待したいです。