私は「失敗の本質」という本が好きです。
この本でいう日本人の悪いところが投資に出ないか、気にしています。

日本人の悪いところ 「過剰適応」
この本は第二次世界大戦を例にして、日本人の特徴を書いています。
戦争で日本が負けるにしてもさみしい負け方になってしまったのはなぜでしょうか。
この本での考察を一文でまとめると、艦隊決戦や白兵戦の成功体験に国全体が「過剰適応」して、変えられなくなってしまったということです。
もちろんそれぞれの部分では非合理性に気づいた人もいましたが、人情もあり、気づいても変えることができなくなってしまいました。
兵器も教育も人事も訓練も、幅広く一つの目的に適応しすぎていました。
日本の産業では
この反省はよく日本の産業ではどうかと言われることがあります。
この本の初版は1984年だそうですが、その時から変化できない日本の産業への心配が書かれています。
実際に工業化、加工貿易の成功体験からあらゆる社会のシステムが抜け切れていない日本は本書が指摘した通りでしょう。
私たちの会社の人事制度を見ても、他の国からは冗談にしか見えないほど、ゆっくりとしか変わっていません。いまだに年功序列や終身雇用の議論が続けられていますが、これも成功時に有効に作用したからです。
私たちの投資では
私たちの投資についてはどうでしょうか。
「過剰適応」は個人の行動でもあると思います。
今、オルカンやS&P500などのETFをベースにして積み立て投資をするのが正解とされることが多いです。
確かに今の状況ではまちがいないでしょう。
私もこれで成功体験を積めました。
ただしこれをいかに効率よく行うかということに集中することは「過剰適応」の可能性があります。
常に本当に問題ないかを考えていきたいです。
①株は本当に労働の賃金上昇より儲かり続けるのでしょうか。
②ETFは本当に欠点はないのでしょうか。「よい企業に投資する」という判断を著しくゆがめています。
③時価総額を加重平均して指数化することは問題はないのでしょうか。
④バンガードやブラックロックが行き詰まったときにETFはどのような扱いになるのでしょうか。
(信託財産の独立性という意味でなく、売買の継続などは本当に可能なのか)
⑤アメリカ・ドルを中心とした根本的な世界秩序は継続されるのでしょうか。
ほかにも根本的な投資の変更が必要になる条件はあると思います。
そして、必要な時に必要な対応ができるかが本当に長期での資産形成に一番大切だと思います。
条件が変更になったときに「自分は大丈夫」と思いたいですが、多分「過剰適応」にはまってしまった人や国は同じように思っていたと思います。
私がしていること
このようなことに備えたり、変更時のハードルを下げるために、自分の思いつくことはしようと思っています。
①投資・経済の勉強の一番の目的は、今の延長で問題ないかの検討である と位置付ける
②投資利回りが多少落ちても、少額は様々なものに投資してアンテナを広くはる。
③自動積み立ての設定はしない
まとめ
今日の投資方法の正解が、明日も正解かはわかりません。
「ETFへの入金さえ継続できれば、いつかは設定した資産にたどり着く」というのは常に疑う必要があります。