



トピックス
・米 2月消費者物価指数(CPI)
前年比で全体は+6.0%、食料とエネルギーを除くコアは+5.5%と事前予想と一致した。
発表後には市場に安心感が広がり株価、金利が上昇した。次回FOMCは0.25%の利上げとの見方が広がる。
・SVB・シグネチャーバンク破綻処理
預金保護などの政策から安心感が広がり銀行株は大幅回復。市場全体を大きく引っ張る。
・メタ 人員削減
追加で1万人の人員削減をすると発表。株価は7%上昇と好感される。
・クレディスイス 財務報告不備
過去2年の財務報告と管理手順に「重大な弱点」があったとし、これを是正する新たな計画を採用すると発表した。また、顧客流出は一旦止まったとした。もともとクレディスイスは脆弱性が指摘されていた。株価は引き続き下落。

全体:
昨日までの揺り戻しが起こりました。まずは政府の政策でSVB破綻の止血がされたとの見方です。まだSVBの買い手も見つかっていないので、引き続き危険レベルは高いはずです。
昨日の金利は経済全体への安心感から上昇しましたが、先行きの金融引き締めが難しいとの思惑から株価は上昇しています。
FED watchでは再び2.5%の利上げが行われるとした人が8割になりました。毎日大きく揺れています。パウエル議長の議会証言は利上げを続ける言い方でしたが、またも変更を余儀なくされそうです。発言力も相対的に落ちてしまうでしょうか。


セクター別:
全てのセクターで上昇しました。
ハイテク系が大きく上げました。金利は上昇したものの、金融引き締めがつづかないとみられていることと、メタの人員削減が好感されました。
金融の反発も大きかったです。
エネルギーは最も小幅な上昇にとどまりました。エネルギー価格は下落を続けていますので、引き続き厳しそうです。


・国債
一旦安心感が広がり、当面の利上げは行われるとして金利高。
・原油
景気先行きは厳しいとして下落が続く。

SVB破綻ではリーマンショックのようなことは起こらないという雰囲気になってきています。連鎖倒産は食い止められるかもしれませんが、一番の問題は長期の競争力です。シリコンバレーの生態系の影響は見えにくいですが、とても大きい可能性があります。政府の政策とSVBの引き取り手の対応に注目です。
原油は70ドル後半でずっと推移していましたが、そこから離脱しました。一段景気の見方が厳しくなった証拠かもしれません。