



トピックス
・クレディスイス 信用不安
先日過去2年の財務報告と管理手順に「重大な弱点」があったことを発表していた。
筆頭株主のサウジが内規の関係から追加出資をしないことを表明した。アメリカで銀行の破綻が続いた背景もあり、クレディスイスの信用が急激に揺らぐ。アメリカも含めて銀行株は大きく下落した。
これを受けてスイスの中央銀行が必要であれば支援する意向を表明した。
・米 2月PPI 市場予想を下回る
生産者物価指数(PPI)は前年比+4.6%と予想の+5.4%を大きく下回る。前月比は-0.1%。
食品、エネルギーを除くコア指数も+4.4%と予想の+5.1%を大きく下回る。
・米 2月小売売上高
前月比は-0.4%と予想の+0.2%の予想から一転して2か月振りのマイナス。
・ファースト・リパブリック・バンク格下げ
S&Pグローバル・レーティングが格付けを「BB+」とし投資不適格級に引き下げた。従来は「A-」。顧客の預金流出懸念が広がる。

全体:
急速に各種ニュースや指標が景気後退を示しています。急速にマネー量を膨らませて、急速に金利引き上げを進めたので当たり前の結果になったということでしょうか。FRBの教訓として急激な変化は処理が大変ということになるかもしれませんが、金融不安が目の前に迫る中では悠長なことは言っていられません。いざという時に企業にマネーを届ける準備をしていることでしょう。
SVBもクレディスイスも、それぞれ状況悪化の特殊要因はあるかもしれませんが、不安の連鎖は断ち切れないので全体的なマインドは悪化するでしょう。
リーマンショックでは当時の三菱UFJ銀行がモルガンスタンレーに1兆円の出資をしました。今回も大きな投資があるでしょうか。特に欧州はもともと銀行の体力が弱いです。カネの出し手が無くなったらアラブや中国に頼ってしまうでしょうか。純粋な経済合理性で投資することは難しくても、政治的な意図を絡めたら投資の魅力はあるかもしれません。ここは注目する点でしょう。
Fed watchによると「次回FOMCで利上げなし」とする人が半分ということのようですね。まだインフレ指標は高いですが、急激に金融不安が意識されています。

長期投資方針としては、景気の底を見極められる自信はないですのである程度下がることを覚悟しつつ、株を持ち続けます。

セクター別:
下げたセクターが多いです。
一番上昇したのは通信です。金利減少によるバリエーションの問題が大きいでしょう。特によいニュースがあったわけではないです。
エネルギー、素材が景気悪化を見越して売られています。金融も大きく下げていますが、信用不安ですね。最近株価が高いとして敬遠されていた生活必需品に資金が戻っているようです。


・国債
クレディスイスの破綻懸念により不安が高まり、金利は大きく下落。
・原油
景気先行きは厳しいとして下落が続く。

原油は45ドルの声も聞こえてきました。つい先日まで100ドル突破の話をしていたのですが、専門家の意見は信用できないですね。もう少し長い目で見るとウクライナ戦争による潜在的な供給不足と、次の冬に向けた欧州の燃料不足のによる価格上昇懸念はあります。
ゴールドは中国などの国家備蓄の需要が高いので、景気以外でも上げ基調のはずです。感覚的にはもっと高くなってもよいのかなと思っています。