



トピックス
・UBS クレディスイスを買収
30億スイスフラン(4300億円)で合意したと発表した。UBSの株価も若干の上昇。
金融株全体としては上昇しているものの、値下がりする銀行株も多く不安定な状態が続く。
・ファーストリパブリック 格下げ
S&Pグローバルの格付けによってB+に3段階格下げされ、ジャンク債とみなされる。
・シグネチャーバンク 買い手が見つかる
ニューヨーク コミュニティ バンクの子会社であるフラッグスター バンクはシグネチャーの資産約380億ドルを取得することで合意した。シグネチャーの40の支店ははフラッグスターの支店として営業を再開する。
SVBは引き続き買い手が見つからず。
・アマゾン 人員削減
9000人の追加解雇を発表した。「不確実な経済」の分析が完了したため。
アップル以外のIT大手は人員削減が続く。

全体:
クレディスイスは一旦UBSが買収することで落ち着きました。ただし欧州もドイツ銀行など以前から経営に疑問がある銀行がまだまだあります。
クレディスイスのAT1債が無価値になったことで、ピムコの損失は1000億円レベルのようです。単純な損失であれば吸収できるレベルでしょうが、不安の連鎖が恐ろしいです。
FOMCにとっては、インフレと金融不安のどちらの対応を優先するかということを問われています。どちらを優先しても株価は崩れる可能性があります。
リーマンショックの時は日本の1000億ドルのIMFへの融資枠設定で落ち着いた面もあるといわれています。欧米外の参戦は行われるかも注目です。

セクター別:
全てのセクターで上昇しました。
特に素材、エネルギーが回復しています。一旦景気に対して安心感が広がったということですね。
一方でハイテクは金利上昇を受けて上昇幅は小さいです。
チャートで見るとマイクロソフト、インテルの下落が目立ちますが、大きなニュースは出ていないのでこれまで上昇が続いた反発と考えます。


・国債
一旦金融不安が落ち着いたとして金利高。
・原油
景気後退への見方がやわらぎ上昇。
・ゴールド
金利上昇を受けて下落

市場が少し落ち着いたということで幅広い資産で、先週と逆の動きになりました。極端な動きでは無いので特に反応することもありません。
中国の習近平主席がロシアのプーチン大統領と会っています。もちろんウクライナ戦争の仲介という大義名分はありますが、堂々と支援をしているようにも見えます。西側の戦争疲れと金融不安で注意がそちらに言っていることを考えると、絶妙のタイミングになりました。ウクライナにとって「西側は引き続き頼りになる」と考えられるでしょうか。違う考えなら市場にも波乱要因です。