



金融不安が和らいだとして銀行株を中心に回復している。
・ファースト・シチズンズ・バンク SVB買収で合意
ファースト・シチズンズは資産1090億ドルで米国30位の銀行。
大幅な割引を受けてSVBの資産を買い取る。
市場には安心感が広がり銀行株を中心に買いが広がった。
特にこれまで下げが厳しかった中堅銀行が大きく戻す。
・バーFRB副議長
「SVBの破綻は典型的な失敗」
「国内の全ての銀行預金の安全確保に努めている。
システム保護に向け、あらゆる規模の金融機関に対応する用意がある」
金融不安の払しょくに努める。
・ミネアポリス連銀 カシュカリ総裁
「景気後退が近づいている。」
「銀行システムは強固。銀行からの現金流出は少なくなっている。」
・商品先物取引委員会(CFTC)
暗号資産取引所大手のバイナンスを提訴。
ジャオCEOは利益のためには規則を無視するように社内に指示をしていた。
FTXはバイナンスが買収方針を撤回した後に破綻している。
バイナンスは暗号資産の取引のシェアは90%ともいわれる。

一旦は金融不安が後退していますが、まだ油断できません。
リーマンショックの時に、各国が金融機関を支援して破綻の連鎖を食い止めたことは「よい事例」として残っています。
今回ももちろん念頭にあるでしょう。
その時と違うのは、コロナ対応でFRBの資産が膨れ上がっていることです。
金融機関の支援は資産が増える方向です。
QTをしながら政策金利の下落が語られるという矛盾の中で、FRBが何をやってもうまくいかない可能性があります。
長期投資としてはその混乱の可能性も考えたいです。

セクター別ではハイテクが下落している。
通信・テクノロジーセクター:
金利高から株安傾向となった。
エネルギーセクター:
大幅な原油高から反発した。最近の下げが厳しかったのでその反動もあるか。


ハイテクもよく見ると、傾向がかなり分かれていますね。
サービス大手、半導体が厳しいですが、通信、ソフトはかなり耐えています。

金利・商品も金融不安の後退を示す。
・国債
金融不安の後退から金利は高くなった。
・原油
景気後退の懸念がやわらいだことに加え、ロシアのベラルーシへの核配備で地政学リスクが意識されて原油は大幅高。
サウジアラムコは中国に石化コンビナートを作ることで合意した。
・為替
金融不安が和らぐにつれてドル高傾向。
・ゴールド
金利高を受けて反落した。

中国とサウジの接近が止まりません。
サウジだけでなく、イラン、ロシア、ミャンマーなどとも関係を深めているニュースが続いています。
ホンジュラスは台湾の断交と中国との国交樹立を発表しました。
アメリカの外交の失敗が続いているように見えます。
ただし、アメリカだけの失策でなく西側全体の敗北です。
日本で自分のこととしてとらえる世論は起こっていないようです。
いずれにしても長期投資として中国がどのような国になるかはしっかりと考えたいです。
まとめ
金融不安が少し和いでいるように見えますが、先行きの見通しは割れています。
楽観論に与するわけにはいかないので未知の金融リスクに備え続けます。