



株価の動向
インフレ後退と見て株価上昇
・2月個人消費支出(PCE)価格指数
前月比+0.3%、前年比+5.0%で前月(前月比+0.6%、前年比+5.3%)に比べて減速した。
事前予想の前年比+5.1%よりも低い。
コア指数は前月比+0.3%、前年比+4.6%。
こちらも事前予想の前年比+4.7%より低く同じ傾向を示した。
市場はインフレやや減速と受け止める。
・3月 ミシガン大学消費者信頼感指数
62.0となり、2月の67.0よりも大きく下がった、事前予想の63.2も下回る。
SVBの破綻など、金融不安があった割には影響は限定的だった。
1 年後のインフレ期待値は、3.6% と、前月の4.1%より低下した。
これは2021年4月以来の低水準であり、インフレの減速感が広まっていることを示す。
・NY連銀 ウィリアムズ総裁
「インフレが最大の懸念事項。」
「金融不安の影響の規模と期間はまだわからない」
・預金引き出しが続く
FRBによると3/22までの週に米国の銀行からは1260億ドルの預金が流出した。
向かった先はMMFが多い。
この段階ではまだ預金者が銀行を信じていないことを示す。

重要指標が2つともインフレ減速を示しました。
株式市場は好感しています。
インフレ期待の低下
FRBが利下げをやりやすい雰囲気になってきたでしょうか。
ただし中央銀行の最大の使命はインフレ防止です。
エネルギー価格の方向性がわからない中で、秋までに積極的な利下げは難しいのではないでしょうか。
FED watchによると5月FOMCでは利上げあり派と無し派が半分づつです。

半導体
日本が半導体製造装置の輸出厳格化を進めることを発表しました。
中国は早速反発とサプライチェーンの緊張感は高まりますが、関連メーカーの株価は強いですね。
日本、アメリカ、オランダの得意とする工程がずれています。
どこか一つでも最先端の装置が入手できないと、最新半導体は作れません。

セクター別・個別株
全てのセクターで株価が上昇した。
一般消費財セクター +2.2%
テスラが6.2%増と大幅に上昇。全体を大きく押し上げる。
不動産 +2.1%
金利低下による住宅市場回復を期待された。
マイクロン
中国がマイクロン製品をサイバーリスク阻止のために調査との報道があった。
全体が好調な中で目立つ下落となった。


ハイテク好調がつづきます。
大型株の回復が市場のエンジンですね。

国債・商品・為替
インフレ懸念が落ち着いていることを示す。
・原油
引き続きイラクでのクルド自治区による減産が懸念される。

原油の上昇が続きます。
米国の消費が大きな減速は見られません。
原油の需要は底堅いかもしれません。
いずれにしても欧州が今年の冬に向けてどのような対応ができるかが重要です。
自動車で欧州はEVだけでなく、内燃機関の自動車も引き続き販売できることになりました。
使えるのはEフューエルという合成燃料だけとのことですが、雰囲気としては環境一辺倒ではだめだということで、ガソリン需要にプラスなのではないでしょうか。
(個人的にはEVが環境によいとういうのも相当疑っている派ですが)
まとめ
市場は金融不安をすぐに忘れているようです。
ショックがあればまた大きく株安となるでしょうか。
それでも4半期をよい雰囲気で終われたことは、素直に喜びたいです。