ファーストリパブリックバンクの預金流出から金融不安が広がりました。
また、指標からは景気の悪化懸念も持ち上がっています。




株価の動向
ファーストリパブリックバンクの預金流出に足を引っ張られる。
経済指標
・米 4月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数
101.3と予想の104.4を下回る。
消費者の心理の悪化を示す。
・米 3月新築住宅販売件数
68.3万件と予想の63万件を上回る。
ローン金利の低下を受けて反発した。
企業決算
・ファーストリパブリックバンク
前日市場終了後に預金流出が発表されてから約50%の大幅安。
バランスシートを縮小し、人員削減も進めると発表。
市場では徐々に金融不安が広がる。
・GM
通期の見通しを上方修正。
サムスンSDIと電池工場の立ち上げも発表。
・マクドナルド
増収増益。
値上げにも関わらず売上好調。
・UPS
年間見通しを下方修正。
株価は10%の下落。

ファーストリパブリックがムードを悪化させました。
ファーストリパブリックバンクは徐々に投資家の心理を悪くしていったようですね。
市場全体は分かりやすくリスクオフとなりました。
ただし個別の決算は総じて悪くないです。
消費は悪くなっているものの、極端に悪化してはいません。

セクター別・個別株
全セクターで下落。
素材セクター -2.3%
景気悪化懸念を強く受けて下落。
金融セクター -1.9%
金融不安を受けて、投資銀行や大手行も下落。


分かりやすい景気悪化を見越した動きです。
比較的マシなのは生活必需品や公益事業です。
これまでAIへの期待や、予想より順調な決算で期待が膨らんでいただけなので、値下がりもやむなし、、、と思っていたら時間外でハイテクはまた上がっているようですね。
金融不安も言われていますが、大手で決算が崩れたとの発表もないですし、今のところは市場全体がパニックになるほどではありません。

国債・商品・為替
景気悪化のサインから金利安。
・為替
金利低下からドル安。
・原油
景気悪化と、ここしばらくのドル高基調から原油安。
まとめ
ファーストリパブリックの預金流出問題の影響範囲が、個社か、中小銀行か、金融システムかで今後の市場は変わってきます。
想定される資金供給問題はリーマンショックの経験を活かして当局が乗り切ってくれるのではないかと期待しています。
ただし、混乱の中では予想外の問題が起きたときに、動揺から大きな変動となるかもしれないのでそれに対する想定はしておきます。
長期投資の観点からは、これらを通じて米国の長期成長力の変化を見ていきたいです。